1.中小企業にRPAは必要なのか?
RPAとは、人がパソコンを使って行う作業を自動化できるツールです。RPAは高価な商品が多く、導入効果の得やすい大手企業を中心に導入が進んできました。最近では中小企業向けRPAの登場から、RPA化を積極的に推し進める中小企業が増えています。
導入の背景
・人材不足が深刻化してきている
・中小企業でも働き方改革の推進
・原料や電気代の高騰
・最低賃金の上昇
少子高齢化によって生産年齢人口が減少している日本では、中小企業における人材不足が進行してきています。また、政府主導のデータ活用、働き方改革が進み、いままでよりも、より少ない人数、少ない時間で今までと同様の業務量をこなす作業の効率化が求められていることも背景の1つです。
そのため、今までと同じやり方をしていては、企業の発展は望めないと考える企業が増え、業務自動化を実現する手段として、RPAに期待が集まっています。
2..RPA導入のメリット
2-1. 手作業を自動化できる
データ入力・データ照合・情報収集・報告書作成など、手間のかかる作業を自動化することができます。そして、RPAプログラムのため、作業効率は一定でありミスのない作業を行うことができます。ひと昔前と比較して、取引先とのやり取なども業務のデジタル化が進んでおり、データを活用して業務の効率化が行いやすい環境となっています。データを活用し、RPAで業務を自動化すれば、従業員の負荷が軽減できると考えられます。
2-2. 本来すべき業務に集中できる
手順やルールが明確に決まっているパソコンを使用した業務は必ずしも人がやらなくてもよい業務です。人の判断が必要のない作業はRPAに任せることができます。そして、RPAの作業結果を人がチェックし、業務品質を保つ運用を行うこともできます。人材不足の深刻化を背景に、作業工数の見直しが必要とされています。RPAに作業を任せると、人にしかできない付加価値の高い業務に集中することができます。
2-3.人件費の削減が期待できる
RPAはプログラムであるため、人の何倍もの作業を行うことができます。マスタの登録などリストから登録する業務など定型業務の量が多いほど得意です。夜間、休日を問わず稼働し続け疲れません。導入のコストはかかるものの、人件費と比較し安価となる実例は多く、利益率の向上が期待できます。
※仮に月額10万円のRPAを160時間(20日間8時間相当)稼働させた場合、時間あたり625円です。
3.【業種別】中小企業のRPA導入事例
3-1. 製造業のRPA活用事例
顧客からの発注登録業務
以下の流れで行っている受発注の登録業務をRPA化し、自動で業務を事例があります。
・お客様専用の発注管理システムにログイン
・受注情報を受注管理システムへ転記
・発注一覧表をPDF化
・PDFをメール送信
受発注業務の作業時間の削減はもちろん、転記ミスや記入漏れ防止だけでなく、作業者の精神的な負担の軽減にもつながっています。
出社が必要なFAX処理業務
電気機器のメーカーでは顧客や仕入れ先からのFAXを紙で返信する業務において、従業員が交代で出社をして業務を行っている業務をRPA化。
紙ベースの書類を電子データに変更して、作業を自動化し、出社を不要にした事例です。
・RPAで受信したFAXをPDF化し、サーバに保存
・従業員はPDFデータをPCから確認。返信した内容をサーバに保存
・RPAで定期的に返信用内容を読み込み、FAX送信
3-2. 自治体・官公庁のRPA活用事例
ふるさと納税業務
ふるさと納税業務では申込情報の集約、出荷依頼、お礼状の作成等をRPAにより自動化しています。
一連の業務RPA化し、入力内容のチェックやシステム間で連携の手間が削減できます。
・ふるさと納税サイトから申し込みデータをダウンロード
・申込者に対するお礼メール送信
・ふるさと納税管理システムにログイン
・ふるさと納税サイトへ申込データをアップロード
・ふるさと納税管理システムでサプライヤへ返礼品の出荷依頼をする
・申込者に対するお礼状と管理表をPDFで保存
残業時間・年休取得状況の管理業務
各課で行っている職員の超過勤務時間と年休取得状況の把握にRPAを導入した事例があります。職員の勤怠については専用システムで管理していましたが、課ごとの状況を容易に確認できる機能がなかったため、RPAで専用システムからダウンロードしたデータを各課ごとに加工し、管理者宛にメール送信を行うようにしました。
各課で集計にかけていた作業時間のほとんどを削減することができ、他の業務に時間をあてられるようになりました。
3-3.建築業のRPA活用事例
受注案件登録業務
案件登録業務を建設業者様では、以下の流れで行っておりました。
・見積書・受注書を作成
・受発注管理システムに登録
・関係者にメール送信
複数のシステムを縦断しての作業するため、作業漏れの恐れもあり、煩雑な作業となっていましたが、これらをRPAで自動化し、不定期に起こる作業でも作業漏れを防防止し、業務担当者様の負担も軽減できました。
作業報告書共有業務
作業報告書などの日次報告を外部ベンダーと共有する業務があります。
1日に何百件の報告内容がありますが、担当者様よりベンダーへ共有されています。
・社内で作業報告をメールで送信
・帳簿システムに作業報告内容を登録
・指定の様式に書き出して、発注先に共有
この業務にRPAを導入し、各従業員は作業報告をメールで送信するだけにしました。RPAがメールの内容を、帳簿システムに転記するように自動化。
迅速に発注者に情報共有を行うことができ、担当者様の負担が軽減できました。
3-4.小売業のRPA活用事例
発注管理や在庫管理
小売業では受注管理や在庫管理をRPAで自動化をしています。
社内の基幹システムとショッピングモールの管理画面を直接操作し、
受注データの取り込みや在庫管理を行い、ルーティンの自動化を進めています。
複数のシステムにまたがっていても、同じ操作を繰り返し行うことはRPAの得意な領域です。
3-5.金融機関・銀行のRPA活用事例
申込者の情報照会
複数のシステムを利用して反社チェックを手作業で行っていました。
以下の作業をRPAの導入により自動化することによって、作業漏れがなくなりました。また、契約締結までのスピードが上がりました。
・反社のチェック用サイトで情報検索
・検索結果から必要な情報を取得
・取得した情報をより管理用のExcel表に転記
3-6.物流業界のRPA活用事例
生産性の見える化
RPAの導入によりトラックドライバーの生産性を見える化し、新しい制度導入の事例があります。各センターから届くドライバーの配送個数、配送店舗、配送時間、労働時間のデータを集計し、一人当たりの生産性を算出し、一覧化して各ドライバーへ送信します。翌朝、自身の生産性数値を見て、生産性を確認。他者と比較するなどの刺激もあり、モチベーションアップにもなっています。
このような結果を新たに導入した業務手当に反映し、好循環が生まれています。
3-7.経理部門の活用事例
入金消込処理
毎日同じ作業を繰り返す以下の業務をRPAで自動化。
1回あたりの時間は短いのですが、何度も繰り返し行う作業を自動化し、1週間で1時間以上の時間を別の業務に充てられる時間が確保できた事例です。
・ネットバンキングにログインする
・指定日時の新着の入金を確認
・メールで担当者に日時と入金額、振込元を送信
3-8.その他のスタッフ部門の活用事例
各部門の売上集計業務
専用システムなどから情報を抽出し、毎日の集計業務を自動化した事例です。
・営業情報管理システムで登録情報を検索
・経理処理に必要なデータをダウンロード
・ダウンロードしたファイルを指定の保存フォルダへ格納
・ファイルを開いて経理処理に必要な金額をシステムに転記し、売上を集計
請求書発行
受注が決定した場合請求書を作成し、フォルダに格納する運用を行っている営業部門では請求書発行からフォルダ格納までのRPAで自動化しました。
勤怠管理システムデータの集計業務
人事部門では、毎月、勤怠管理システムのデータを集計しています。勤怠管理システムから抽出したデータを集計し、管理表に転記する流れをRPA化したところ、年間25時間の業務効率化となりました。作業漏れや計算ミスが無くなったことは言うまでもありません。
健康診断の受診管理や未受診者への督促通知
健康診断の受診管理をEXCELで行っている企業は多いのではないでしょうか。医療機関からの健康診断の受診結果をEXCELに転記し時期を決めて未受診者への督促通知を行う業務をRPAで自動化。1年間で必ず行われる作業であることや、本業とは別に片手間で行いますが、従業員数が膨大かつ医療機関も数多く、煩雑な業務でした。RPAを自動化することにより、業務時間を大幅に削減し、本業の業務に集中できるようになりました。
4.中小企業でRPAを導入するときのポイント
4-1. いきなりすべてを自動化せず、スモールスタートで導入成功事例を作る
RPAを導入する際のコツは、いきなり全てを自動化しようとはせず、小さな業務をまず、一つの部署からスタートさせましょう。
小さく初めてノウハウを社内でためてから、徐々に範囲を広げるとスムーズです。自動化を進めると、シナリオが膨らみエラーの発生により修正したり、何度もトライすることも視野に入れ、展開していきましよう。
4.2.業務の棚卸しを行い自動化する業務を決める
自動化する業務を決めるポイントは、イレギュラーが少なく、繰り返し行われる作業から自動化していきましょう。棚卸しにより他の業務も見えていると思います。きっと同じような業務もあるはず。横展開する先として把握しましょう。
4-3.業務の内容を明確にする
自動化できない、しても、効果の少ない業務もあります。業務の全体をざっくりとらえた後は、細かな1つ1つのプロセスを把握し、ルールが決められなかったり、人の判断が必ず必要な業務を明確にしましょう。
4-4.社内研修・マニュアルを作る
RPAはプログラムですが、現場で改善を回せることがメリットです。業務の変化に応じて、無理なくRPAを見直し、運用するマニュアルや体制が必要です。ベンダーおまかせではなく、社内で運用できるよう、研修やマニュアルを作っていきましょう。
4-5.企業全体で取り組む
一部の社員やシステム部門などは、負荷が集中しやすく、対応に時間がかかっってしまう可能性があります。なるべく小回りの利く、スピード感を持った業務改善となるよう、一部の人にまかせるのではなく、企業全体でRPAの導入に取り組める環境や運用ルールを作り現場でも変更や修正ができるようにしましょう。
まとめ
中小企業向けRPA導入の必要性、導入のメリット、業種別の導入事例、そして導入時のポイントについて解説しました。RPA導入には、慎重な計画と適切な戦略が不可欠です。RPAの導入により、業務効率の向上、コスト削減、品質向上、顧客満足度の向上などのメリットを享受することができます。
業種別の導入事例を参考にしながら、具体的な業務プロセスを分析し、どの作業が自動化できるかを判断しましょう。また、最初に小さなスケールで導入し、成功事例を作り上げながら拡大していく戦略も効果的です。導入後も業務の改善と最適化を行い、より効率的かつ効果的な運用を目指しましょう。
※この記事はChatGPTと共に書きました
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