近年、デジタル化が進む中、社内で利用するアプリケーションの数も増えています。一方で、アプリケーションを適切に管理することができている企業は少なくありません。社内利用アプリを適切に管理することで、ビジネスリスクの回避や生産性の向上など様々なメリットが得られます。しかし、管理が不十分な状態が続いていると、予期せぬ問題が起こり、業務に影響を与えることもあります。そこで、本記事では社内利用アプリの管理について、適切な管理が必要な理由や管理が不適切な場合に起こりうる問題点、コスト面での影響について詳しく解説し、適切な管理方法についてもご紹介します。
目次
社内利用アプリの管理に必要なこと
メンテナンスやアップデートの実施
社内利用アプリのメンテナンスやアップデートは、定期的に行われることが重要です。これによって、アプリケーションの動作不良や脆弱性の発見、修正が行われます。また、最新の機能や機能改善が導入されることで、より使いやすいアプリケーションを提供することができます。
ただし、メンテナンスやアップデートにはコストがかかるため、予算やリソースの確保が必要です。また、アプリケーションを提供しているベンダーとの契約内容も確認する必要があります。契約に基づいて、メンテナンスやアップデートの範囲や頻度が決まっている場合もあります。
セキュリティ対策の徹底
社内利用アプリのセキュリティ対策は、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを回避するために必要です。具体的には、以下のような対策が挙げられます。
- パスワードの強制変更
- アクセスログの監視
- 不正アクセスに対する防御策の導入
- データの暗号化
- 不要な権限の削除
これらの対策を徹底することで、アプリケーションのセキュリティレベルを向上させることができます。
適切なアクセス権限の付与
社内利用アプリのアクセス権限は、利用者に応じて適切に設定することが重要です。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。
- 必要最小限の権限の付与
- センシティブな情報にアクセスできる権限は、特定の人物に限定する
- 退職者や転居者などの人事異動があった場合は、アクセス権限を削除する
- アクセス権限の変更履歴を記録する
これらのポイントを踏まえて、アクセス権限を適切に設定することで、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを回避することができます。
社内利用アプリの適切な管理が重要な理由
社内利用アプリの適切な管理が重要な理由には、以下のようなビジネス上のメリットがあります。
1.ビジネスリスクの回避
社内利用アプリの管理が不十分だと、アプリが正常に動作しなくなったり、重要なデータが紛失したりする可能性があります。これにより、ビジネスに大きな損害を与えることになります。適切な管理を行うことで、アプリのトラブルを事前に防止することができます。
2.生産性の向上
適切なアプリの管理は、社員の生産性向上につながります。例えば、アプリのアップデートを定期的に行うことで、最新機能や改善点を使い、よりスムーズな業務を行うことができます。また、社員がアプリの操作方法に不慣れな場合でも、適切なトレーニングを提供することで、作業効率を向上させることができます。
3.セキュリティ対策の強化
社内利用アプリには、重要なデータや情報が含まれることがあります。しかし、不適切な管理を行うと、機密情報が外部に漏洩したり、ハッキングやウイルス攻撃などのセキュリティ上のリスクが高まります。適切な管理を行うことで、社内システムのセキュリティを強化し、データ漏洩やセキュリティリスクを回避することができます。
社内利用アプリの管理が不適切な場合の問題点
社内利用アプリの管理が不適切な場合、以下のような問題が生じる可能性があります。
1.アプリの動作不良
社内利用アプリの管理が不適切な場合、アプリの動作不良が発生する可能性があります。たとえば、アプリが正常に動作しなくなったり、データの取り込みやエクスポートができなくなったりすることがあります。これによって業務の遅延や停滞が発生し、生産性が低下する可能性があります。
2.情報漏洩
社内利用アプリには、企業の機密情報や個人情報が含まれることがあります。管理が不適切であれば、これらの情報が漏洩する可能性があります。たとえば、アクセス権限の不適切な設定やパスワードの不正使用、セキュリティの脆弱性などが原因となり、情報漏洩が発生することがあります。これによって、企業の信頼性が低下したり、法的な問題が生じたりする可能性があります。
3.管理者の退職
社内利用アプリを適切に管理するためには、継続的な管理が必要です。しかし、管理者が退職した場合、そのアプリの管理は誰が引き継ぐのか、どのような管理をするのかが不明瞭になることがあります。新しい管理者が継承する際には、アプリの仕様や設定を理解する必要があります。これが不十分であれば、アプリの管理が不適切になる可能性があります。また、退職した管理者がアプリに関する情報を持ち出すこともあり得ます。これによって企業の機密情報が漏洩するリスクがあるため、適切な対策が必要となります。
以上のように、社内利用アプリの管理が不適切である場合、様々な問題が生じる可能性があります。企業としては、こうしたリスクを回避するために、適切な管理体制を整えることが求められます。
社内利用アプリの不適切な管理が引き起こすコスト
社内利用アプリの不適切な管理が引き起こすコストは、業務上の問題やセキュリティ上の問題が発生した場合に大きな影響を及ぼすことがあります。まず、アプリの不具合や障害が発生した場合、復旧に時間やコストがかかる可能性があります。また、業務上の問題が発生した場合には、生産性の低下や業務の停滞が起こり、それによりビジネス上の損失が生じることもあります。
さらに、セキュリティ上の問題が発生した場合には、情報漏洩や不正アクセスなどが起こり得ます。このような場合、企業の信用を損なうことがあり、法的な問題にも発展する可能性があります。そのため、不適切な管理によりセキュリティ上の問題が発生した場合には、企業は対応に大きなコストを負担することになるでしょう。
加えて、アプリの管理者が退職してしまった場合にも、問題が発生する可能性があります。退職した管理者がアプリの構築や管理に関する情報を持ち去ってしまった場合には、新たな管理者がアプリの運用に手間取ることがあり、そのために追加のコストがかかることになるでしょう。
以上のように、社内利用アプリの不適切な管理によって引き起こされる問題には、様々なコストが伴うことがあることから、適切な管理が重要であることがわかります。
社内利用アプリの適切な管理のための取り組み
社内利用アプリの適切な管理には、以下のような取り組みが必要です。
1.メンテナンスやアップデートの定期実施
社内利用アプリのメンテナンスやアップデートは、定期的に行うことが必要です。アップデートによって、新しい機能が追加されたり、不具合が修正されたりすることがあります。定期的に実施することで、アプリの動作不良を防ぎ、最新の機能を活用することができます。
2.セキュリティ対策の強化
社内利用アプリのセキュリティ対策は、常に最新の状態に保つことが必要です。具体的な取り組みとしては、ファイアウォールやウイルス対策ソフトの導入、パスワードポリシーの策定、マルウェア対策の実施などが挙げられます。また、社員に対しては、セキュリティに関する教育を定期的に行うことが重要です。
3.社員への教育
社員に対して、社内利用アプリの正しい使い方やセキュリティに関する知識を教育することが必要です。具体的には、アプリの利用方法やセキュリティポリシーの周知、不正アクセスや情報漏洩のリスクについての認識向上などが挙げられます。教育を通じて、社員が正しくアプリを利用し、セキュリティに配慮した行動をとることができるようになります。
これらの取り組みを実施することで、社内利用アプリの適切な管理が行われ、業務上の問題やセキュリティ上の問題を未然に防ぐことができます。また、コスト削減や生産性向上にもつながります。
そのためには、まず、管理対象を把握し、一覧化することからはじめましょう!
まとめ
社内利用アプリを適切に管理することは、ビジネスリスクの回避や生産性の向上につながります。しかし、不適切な管理によって予期せぬ問題が発生し、余計なコストがかかってしまうこともあります。適切な管理には、アプリの導入前に目的や必要性を明確化することや、利用者のトレーニングを行うことが重要です。また、利用状況や更新情報の把握など、アプリケーションの運用状況を常に把握することも欠かせません。適切な管理により、社内利用アプリの効果的な活用が可能となり、業務の効率化や顧客満足度の向上につながることが期待できます。社内で利用するアプリケーションの管理は、今後ますます重要な課題となっていくことが予想されます。
キークラウドコーポレーションでは、自社だけでは困難な、現状把握や対策をご支援します。
お気軽にお問い合わせください。